西陣織とは

西陣織とは

西陣織とは、京都府京都市上京区から北区の「西陣」地域において製織された高級絹織物の総称です。
1976年(昭和51年)に国の伝統工芸品に指定されました。
西陣という地域は京都市街の北西部、おおよそ、上京区、北区の、南は今出川通、北は北大路通、東は堀川通、西は千本通に囲まれたあたりを指し、行政区域はありません。
応仁の乱時に西軍(山名宗全側)が本陣を置いたことから「西陣」と呼ばれ、フランスのリヨン、イタリアのミラノと並び日本を代表する世界的な高級絹織物産地として知られています。

西陣織の歴史

西陣織の歴史は深く、5,6世紀頃、渡来人が養蚕と絹織物の技術を伝えたところから始まります。
平安時代には、平安京への遷都が行われると、朝廷に絹織物技術を受け継ぐ工人を集め、国営の織物業として綾・錦などの高級織物を生産させました。
その後、時代の流れとともに、朝廷に仕えていた工人たちが自分たちの仕事として織物業を営むようになり、 鎌倉時代には「大舎人の綾」、「大宮の絹」などと呼ばれ珍重された織物を生産していました。
室町時代の応仁の乱が終わり、西軍の本陣(西陣)付近に、離れていた職人達が再度集まり、織物業を再開したのが由来です。

西陣織 12の品種

1.綴(つづれ)

綴織(つづれおり)は、よこ糸で紋様を織り出すため、密度の大きいよこ糸でたて糸をつつみ込むようにして織ってゆきます
そのため織物の表面には、たて糸はみえません。
綴織は、爪をギザギザにきざんで、紋様に織り込んでゆくといったこまかい織り方なので、複雑な紋様になると1日かかっても1センチ四方しか織れないものもあります。

2.経錦(たてにしき)

錦とは種々の彩糸を駆使して紋様を織り出した織物の総称であり、織物の中では最も華麗なものの代名詞的につかわれています。
経錦は経糸によって、地の文様が織り出されている錦です。

3.緯錦(ぬきにしき)

緯錦とは、紋様表出にだけ必要な緯糸を用いて、さまざまな多彩な紋様を織り出した織物(錦)です。
通常地を3枚綾とし、絵緯は表裏とも別搦糸で抑えた「糸錦」は錦地の代表格です。

4.緞子(どんす)

緞子とは、五枚繻子の表裏の組織をそれぞれ地あるいは紋に用いた織物です。
繻子織は経糸と緯糸との組織点をなるべく少くして、しかもその組織点を連続しないように分散させ、織物の表面に経糸、あるいは緯糸を浮かせた織物です。

5.朱珍(しゅちん)

朱珍は5枚、または8枚の襦子の地に何種かの絵緯で、紋様を織り出した織物です。
同じ繻子織の緞子とは地上げ紋がないという点で異なります。

6.紹巴(しょうは)

紹巴は、強撚糸を用い、細かい横の杉綾状又は山形状の地紋をもつ羽織裏などによく使用された織物です。

7.風通(ふうつう)

風通織は、断面がそれぞれ二重、三重になっていて多層織物と呼ばれています。

8.綟り織(もじりおり)

綟り織物は綟り経糸が緯糸1本または数本ごとに地経糸の左右にその位置を変えて組織し、緯糸と緯糸との間に隙間を作ります。
搦み織ともいわれ、紗(しゃ)・羅(ら)・絽(ろ)などがあります。

9.本しぼ織り(ほんしぼおり)

本しぼ織は、経糸に甘撚り、緯糸に御召緯の練糸を二越ずつ交互に織り込み、製織後、ぬるま湯に浸して強くもみ、布面にしぼを出す織物です。

10.ビロード(天鵞絨)

西陣のビロードは横に針金を織り込み、後で針金の通った部分の経糸を切って起毛したり、引き抜いて輪奈を作る有線ビロードです。

11.絣織(かすりおり)

たて糸とよこ糸を部分防染し織り上げて、何らかの紋様をだした平織物を絣織といいます。

12.紬(つむぎ)

真綿を手でつむいだ糸を使用して手機で織り上げた先染めの平織物です。

分業の西陣織 帯が完成するまでの工程

図案
図案西陣織の織物のイメージを平面に表していきます。
伝統的な紋様と現代的なデザインが融合したデザインを描いていきます。
紋意匠図
紋意匠図図案を織物設計図に落とし込み、どのように織り上げるか色分けしていきます。
織物の最終的な完成形になるため、大切な工程です。
原糸
原糸繭から糸を取り出して、生糸を製造します。
この生糸の光沢が絹織物の特徴です。
糸染め
糸染め絹糸を絶妙な色に調整しながら染め上げます。
整経
整経経糸(たて糸)の準備をします。織物に必要な長さと幅にそろえて整経機で整えていきます。
かなりの速さで手繰られる糸の中で不具合を見つけるのは、熟練した職人の指先の感覚がなせる技です。
綜絖
綜絖織物の組織や文様に合わせて、経糸をひきあげて緯糸(よこ糸)が通る杼道をつくる仕掛けです。
優れた綜絖は様々な厚物から薄物まで幾種類もの織物をつくることができ、世界に誇る西陣織の技術が詰まっています。
西陣織において重要な部分を占める大切な装置です。
配色
配色千色以上の色糸から絵緯糸を選び出し、織り上がりを想定しながら織物設計図上に配置し、織士にむけて配色指示書を書きあげます。
独自の美の世界観を表現する最終作業です。
製織
製織最終工程となる製織。織機には綴機、手機、力織機の3種類に分けられます。
どれも熟練の職人さんが織物設計図と配色指示書に沿って丁寧に織り上げていきます。

数字で見た西陣織の今

職人数:391人
織り機:3873台
生産高:37,320,000円

西陣生産概況(平成26年) 西陣織工業組合

西陣織の新しい取り組み・ニュース

西陣織の技術で炭素繊維(カーボンファイバー)を織り込むことに成功 ジャカード織機を用いることにより、炭素繊維に他の繊維を組合わせ、意匠性のある特殊織物を開発することに成功しました。
特殊織物の実績として、意匠性のあるカーボン特殊織物をホテルのインテリア材として使用したり、鞄、小物・雑貨等の商品化などがあります。

出典元

西陣織工業組合

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